FC2ブログ

IMG_7385 - コピー

沢山の蕾の中で、たった一つだけ

他の蕾とは異なる形のがく片を持つ

蕾を見つけました。

5つのがく片の内

一つだけがとても鋭い感じで

色も赤みがかがっていて

普通葉のような幾分硬さも感じさせます。

なんとなく怖い感じがしますね。

また、他のがく片のように柔らかそうな毛も

生えていません。

IMG_7392 - コピー

こういう変わったものを見つけると

記録に残したいと思い

描写してみたくなるのですが

もしこの蕾を植物画として

描いてみたいということなら

ちょっと注意。

構図として開花した花と蕾1つの場合とする。

しかも開花した花のがくは、

花びらに隠れてほとんど見えないとき

つまりがくが全体として見えているのが

蕾一つという場合・・・。

その場合に、この植物としては

異質といえる変わったがく片の蕾を

描くべきか?

描かないべきか?

迷いますよね。

変わったがくなのだから、

是非描いて皆に見せたい?

こういう時に迷ったら

基本に戻って考えてみると

すぐに答えがわかりますよ。

植物画を描く上での大前提の基本とは

『真実を描く』です。

言葉の文言からすれば

確かにこの変ながく片は真実です。

だって実際に存在したのですから・・

でもね、『真実を描く』という言葉の

趣旨を考えてみましょう。

例えばある花が空き地に咲いていたとして

その空地の同じ敷地内には

隣のマンションの陰になって

日当たりの悪い場所もあれば

よく日が当たる場所もあって

また、余った肥料が放置されて

特別植物の成長の良い場所もあるとします。

そこで採取した植物の背丈は

ほとんどが20センチくらいなのですが

まれに35センチあるものや

12センチのものも見つかったと推定する。

植物画として描くなら

どれを選ぶべきかといいますと

すべて真実なわけです。

35センチのものも、20センチのものも

12センチの小型のものも、すべて本当に

実在したものです。

けれど、『真実を描く』の趣旨はといいますと

その植物画を見た人が、

その植物の個体を実際に探してみたとき

他の植物の個体と

間違わず区別、判断できる情報が

描かれているという目的が

果たされているという意味での

真実なのです。

世界中には、とてもよく似ているけれど

全く違う国で大きさの違う

別の植物もあり、

ですから、植物画として描く場合は、

特別なものを面白いからと言って選ぶより

おおむね平均的な大きさ、つぼみの数

花の形などのものを描くことのほうが

無難ですね。

もし、35センチのものを描いたとしたら

その植物画を見た人は、

通常の2倍近くもある背丈のものが

その植物の常の姿だと勘違いしてしまいますものね。

もちろん変わったものを描きたいというのであれば、

また、ただ楽しむために描くということであれば

あまり気にせず描いて

変わったものを見つけたので描いた

というコメントをつけておくとよいかもしれません。

または、つぼみの数を増やして

一つだけは変わった蕾にするけれど、

残りは全部、平均的な形のがく片のものにする

のも方法です。

ですから、始めの問題に戻りますと

蕾を一つしか描かない場合は

めったに見ない変わったがく片のものではなく

通常の形のものを選ぶ方がいいです。

ちなみに植物学者の方々が、

植物採集を行う場合は

平均的なもの以外に

最大、最小の大きさのものも

採取して標本にして

記録に残すのだそうです。

そうすることによって、

新種ではないかと思われる植物を発見した際など、

既存の植物であっても最大これくらいの大きさくらいなら

許容範囲だというものと比べて

新種なのかどうかを判断できるからだそうです。

今日は、本格的な植物画や

学術的な区別をしたい場合の

植物図を描く上では

限られたスペースに何を描くかを検討し

また、真実であるなら

何でもかんでも描くべき

というわけではない

というお話をしました。

関連記事
スポンサーサイト



バラ マルクシャガール

昨年の枝、今年の枝

comment iconコメント ( 0 )

コメントの投稿